「沖縄の医療~ソロプラクティスとプライマリ・ケア~」
           沖縄地域医療支援センター 理事・センター長 崎原 永作
  
       【日時・会場】
      平成29年2月12日(日) 時間:9:10~10:00 会場:ホール

      沖縄振興特措法対象離島を39島抱える有数の島嶼県である沖縄県は離島医療を最重要
     課題として、他県にない独自の施策を行ってきています。
     日本離島センターによる離島類型化分類では、これら39の島々の多くが遠隔小規模離
     島に分類されます。39島のうち、本島を除いて、人口が5万人規模の石垣島、宮古島
     の2島にはそれぞれ約400床の県立総合病院が設置され、人口8,000人の久米島には公
     立久米島病院(病床40床)が設置されています。人口が100人以下の10島が無医島と
     なっています。残りの19の島に20ヶ所の診療所が設置されて、そのほとんどが医師一
     人体制です。
     沖縄県の離島医療施策は東西1,000キロ、南北400キロの広い海域に散らばった20ヶ所
     の離島診療所を中心に展開されて来ていると言えます。
     これまでの離島医療支援策は救急支援、医療情報支援、代診等の診療支援の3つ支援を
     中心に行われてきました。救急支援に関しては、沖縄本島の周辺は自衛隊による急患搬
     送が台風等の天候不良時を除き、24時間、365日カバーされているのに加えて、平成20
     年からドクターヘリとNPO法人メッシュサポートによる日中の急患ヘリ搬送が開始され
     ました。八重山・宮古を中心とした先島諸島では海上保安庁による急患搬送が昼夜を問
     わない運用が行われています。
     そして昨年、県内36市町村が共同して沖縄県消防指令センターを整備しました。
     これにより、離島からの119通報の一元化が確実に進んでいきます。これまで消防署の
     ない離島では、役場の担当者が緊急通報を受理し、消防団員や診療所医師へ個々に電話を
     してました(ワンクッションコール)が、指令センターから一斉にEメールや電話連絡が
     出来るようになり、今後は迅速な対応が期待されます。
     医療情報支援に関しては平成7年からパーソナルコンピューターの電子会議室にを活用す
     ることによるコンサルテーションシステムがバージョンアップを繰り返しながら現在まで
     継続して来ています。そして平成12年から多地点テレビ会議システムを利用した離島間の
     会議が加わりました。また、診療支援に関しては親病院、ドクタープール、代診支援シス
     テムの3つの代診のシステムが稼働している事に加えて、平成24年から全国の離島支援を
     希望する専門医による専門医巡回診療支援事業がスタートしました。代診医派遣日数、専
     門医巡回診療の回数ともに年をおって増加して来ています。
     今回、これまでの離島医療支援策の成果と課題を検討することで、今後展開していくべき
     新たなる離島医療の方向性のヒントを見つけていきながら、日本の端っこで展開されてい
     る離島医療から見えてくる日本の医療全体の課題を探っていきたいと思います。


    ■プロフィール
     昭和56年 自治医科大学卒業
     中部病院での初期臨床研修の後
     昭和59年 県立宮古病院附属多良間診療所勤務
     昭和61年 県立中部病院での後期研修(救急室)
     昭和62年 県立那覇病院附属渡嘉敷診療所勤務
     平成 2年  県立中部病院救命救急センター勤務
     平成13年 沖縄県庁福祉保健部へ異動 へき地医療支援機構専任担当官
     平成16年 地域医療振興協会に入職
     平成19年 沖縄県よりへき地医療支援機構を委託され再び専任担当官
           ゆいまーるプロジェクト開始
     平成21年 琉球大学客員教授
     平成23年 与那国町診療所の指定管理受託
     平成24年 公立久米島病院の指定管理受託
     平成28年 竹富町立黒島診療所の指定管理受託